企業や事業者が広告宣伝目的や他の競合者との差別化をはかるために、営業車などにオリジナルのラッピングを施すことで人目を引くことには高い訴求効果を見込めます。同様の意匠を獲得するためには塗装する方法もあります。塗装では設備の充実振りや職人の技術の熟練度に左右されるので、再現性や仕上りの均一性などの面を考慮すると、ラッピングの方が優れていると評価できます。デジタルプリンターで出力したものを貼ることができるので、一定のクオリティの確保することは容易だからです。
しかし耐用年数で見ると様相が異なってきます。自動車の塗装には紫外線や風雨などに対しても耐久性が高く堅牢な塗膜になるので、耐用年数も10年以上は見込めることができるのです。これにひきかえ、自動車をラッピングする場合の耐用年数は3-5年程度とされています。単純な数値で比較すると、塗装の方が長期間維持できるのでメリットが高いようにも思えます。
この点はラッピングに何を求めるかによって左右される部分もあります。一般的な企業が広告宣伝目的で使用するには耐用年数は3年程度もあれば十分な場合が多いと言えます。商品やサービスの内容の変更や新商品の登場や新たなサービスの導入のためには、更新することも必要になるからです。変更する必要に迫られたら、新たなデザインのものに張り替えるだけで対応できるので、このフットワークの軽さはむしろ評価するべき要素と言えるのです。