コンクリートポンプ車は建設現場には欠かせない車両です。建設現場では鉄筋コンクリート造の建物はもちろんのこと、鉄骨造の建物でも基礎部分や床のデッキプレートへのコンクリート打ち込みにおいて、コンクリートが必要になります。コンクリートはセメントに砂利と砂を混ぜたものに、水を加えて固めたものです。建設現場では材料の調合を終えたばかりの、まだ固まらない生コンクリートが運ばれます。
生コンクリートを固まらないように回転させながら現場まで運ぶのがコンクリートミキサー車です。現場まで運ばれたコンクリートは以前は人の手によって型枠内に打ち込まれました。一輪車と呼ばれる押し車を、作業員が打ち込む場所まで運ぶもので、大変な作業でした。しかし、コンクリートポンプ車の出現により、生コンクリートは打ち込む部分まで機械的に送られるようになりました。
生コンクリートはセメントと水の化学反応により固まるため、早く作業をしないと材料の流動性が落ちていきます。コンクリートの打ち込みは時間との勝負です。コンクリートポンプ車にはブームと呼ばれるゾウの鼻のような長い配送管が装備されたものと、ブームのない配送車があります。高層の建物や規模の大きな現場ではブームの付いたコンクリートポンプ車が用いられますが、規模の小さな現場では小回りのきく配送車が用いられます。
どちらも、コンクリートミキサー車によって運ばれた生コンクリートを打ち込む地点まで運ぶのが役割です。